鯉に含まれている栄養と効能をご紹介。鯉(こい)は、昔から滋養強壮に良いとされ、観賞用だけでなく食用として広く人々に愛されてきた魚です。
人気の食べ方としては、新鮮なうちにお刺身で食べる「鯉のあらい」や、輪切りにして味噌で煮込んだ「鯉こく」です。
今回は「鯉」について、その栄養や効能もお伝えしていきます。
目次
鯉の栄養と効能 一覧
鯉の栄養の特徴は、ビタミンB1を非常に豊富に含む点です。
ビタミンB1には、炭水化物を生命活動に必要なエネルギーに変換するという重要な働きがあります。
また、脳や神経の機能を正常に保つ効能も期待できます。
ビタミンB1不足は、体の倦怠感や手足のしびれなどの原因になるので、積極的に摂りたい栄養です。
鯉の栄養にはビタミンB12も、比較的多めに含むことも注目すべき点です。
ビタミンB12は赤い結晶の見た目から「赤いビタミン」とも呼ばれます。貧血の予防や改善に効果があり、人にとって欠かせない栄養です。
さらに、細胞内のDNAやRNA・脂質・タンパク質の生成を促して、神経機能を正常に保つ効能もあります。
ビタミンB12は、鯉をはじめ動物性食品から摂れる栄養です。魚介類ではあさりやししみ、サンマなども含まれています。
鯉には、ビタミンDがとても多く含まれていることも忘れてはいけません。
ビタミンDは脂溶性のビタミンとして知られ、カルシウムの体内吸収をサポートすることで主に骨や歯の形成に効能があります。
さらに、血中のカルシウム濃度を適正に保つため、神経伝達や筋肉の収縮を促します。
日光浴でも生成されますが、良質なビタミンDを適度に食物から摂ることで丈夫な骨や歯の維持を目指しましょう。
鯉は、ビタミンEも含まれていることを知っておきましょう。
ビタミンEは、体内の生体膜に多く存在している栄養で、抗酸化作用の強さから細胞の老化防止に効能があります。
また末梢血管を広げて血行を良くすることから、肩こりやしもやけ、冷えからくる腰痛などの症状改善にも効能があります。
その他にもホルモンバランスを整えるなど、たくさんの効能があります。
鯉には、カリウムも含まれていることが知られています。
カリウムは、細胞内の水分の浸透圧を調整することが主な役割。
ナトリウムと連携して、体の正常な水分浸透圧を保つので、余分な水分を排出して体内のむくみを改善します。
また、高血圧の予防や筋肉の収縮を正常化する効能もあります。
鯉には、ミネラルの一種である亜鉛が含まれています。
亜鉛は、舌にある味蕾(みらい)を造り、味覚を正常に保ったり、食べ物の味を正確に判断させたりする効能があります。
亜鉛不足は食べ物の味がよく分からなくなる味覚障害におちいるため、しっかりと摂取したい栄養です。
また生殖機能の向上や、性欲の減退を抑える効能もあるとされます。
鯉は雑食性で、やや汚い水質でも生きていける生命力の強さが特徴の魚です。
特に海のない山岳地方では、鯉は貴重なタンパク源としても珍重され、多くの郷土料理に使われています。
泥臭さで有名な鯉ですが、養殖物は臭みはないそうです。
しっかり泥抜きを行えば、他の川魚にも負けない美味しさを味わえますよ。