さんまの栄養とその効果についてお伝えしていきます。秋の味覚を彩る主役といえば、さんま。オホーツク海から南下してきた秋のさんまは脂ののりが最も強くなります。
皮がパリッとなるまで焼きあげたさんまに、大根おろしをのせて醤油を一滴、たっぷりと脂がのった身をアツアツのご飯と一緒に……想像するだけで口の中が幸せです。
今回ご紹介するのは、そんなさんまの栄養と効果について。美味しいだけではないさんまの魅力とちょっとした豆知識を一緒にご紹介していきます!
目次
さんまの栄養と効果 一覧
さんまで注目すべき栄養はEPAです。さんまには、EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富に含まれています。
EPAには血中コレステロールを低下させる効果があり、これが動脈硬化や心筋梗塞といった現代人に多いとされる病気の予防に効果を発揮します。
また、EPAには血液粘度を下げ、血管を柔軟にする作用、血小板凝集抑制効果などがあり、血管を柔軟に、血液をサラサラにする作用があります。
食欲の秋だからと暴飲暴食気味の方は、さんまに含まれるEPAで血液をリフレッシュしてみてはいかがでしょうか。
さんまにはDHA(ドコサヘキサエン酸)も豊富に含まれます。
DHAとは不飽和脂肪酸の一種で、血管そのものの柔軟性を高め、血栓を溶かす働きがあります。そのため、動脈硬化や心疾患、高血圧の予防効果が期待できます。血管系の病気の予防という点ではEPAと働きが似ていますね。
DHAはほかにも、集中力や記憶力の向上も期待できます。脳の記憶や学習に関わる機関である海馬にはDHAがほかの器官に比べて、2倍以上も集中しているためです。アルツハイマー病や認知症の予防にも役立ちます。
ちなみに、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸はさんまのような青魚、一部の赤身魚に多く含まれます。さんまのほかに、マグロ、ぶり、鯖(さば)、ウナギ、いわしなどにDHA・EPAが多く含まれます。
さんまに含まれている栄養ビタミンD。実は、骨粗しょう症予防に効果的な栄養素なのです。
ビタミンDには、カルシウムの吸収を促進させる効能があります。歯や骨を構成するカルシウムの濃度を高め、強くて太い骨の形成をサポートします。
さんまにはビタミンDもカルシウムの栄養も含まれているので、骨太な肉体を作るのには最適な食材です。とくに、骨粗しょう症のリスクが高まる高齢の女性におすすめしたい食材です。
ちなみに、より多くのカルシウムを摂取したいときは、さんまの缶詰もおすすめです。缶詰は骨まで丸ごと食べられるため、カルシウム含有量は焼いたさんまの6~7倍近くになります。
さんまに含まれているビタミンB12も、EPAと同じく血液の改善に効果を発揮する栄養です。
ビタミンB12には、骨髄の造血機能を活性化させて、赤血球の生産量を増やす効果があります。これによってカラダの末端まで酸素が行き渡るように血液の状態を改善し、悪性貧血の予防につながります。
貧血でお悩みの方には、ビタミンB12を豊富に含んでいるさんまがおすすめ。熱にも比較的強いので、塩焼きや煮付けにしても無駄なく摂取できますよ。
また、ビタミンB12には神経機能を正常に保つ働きもあります。そのため、ビタミンB12が不足すると、手足のしびれや集中力の低下、気分が塞ぎやすくなるなどの症状がでます。
塩焼きにしたさんまには、必ずといっていいほど大根おろしがついてきます。
ジューシーなさんまと、後味をすっきりとさせてくれる大根おろしはまさにゴールデンコンビ。実はその組み合わせには味や栄養の相性だけではない、深いワケがあったのです。
さんまを塩焼きにするとき、どうしても気になってしまうのが焦げ。焦げには発ガン性物質が含まれており、そのまま食べるのは抵抗感があるという方も多いはず。
そこで、大活躍するのが大根に含まれるイソチオシアネートという辛味成分。実はこのイソチオシアネートには抗酸化作用があり、これが発ガン性物質からカラダを守ってくれる効果があります。
味や栄養の相性だけじゃない、食べ合わせという観点からも抜群のコンビネーションを発揮するさんまと大根おろし。さんまを食べるときには、ぜひ大根おろしを添えてお召し上がりください!