柿の栄養と効果を解説していきます。世の中にはたくさんの食品がありますが、私たちが持っているイメージと実際の食品の栄養価が異なることがあります。
柿もそんな食品の一つ。柿には私たちが持っているイメージとは異なる栄養素がたくさん含まれています。
今回はそんな柿の栄養とカラダにもたらす効果を解説していきます。また、渋柿と甘柿の違いについてもご紹介しますので、興味がある方は読んでみて下さい。
目次
柿の栄養と効果 一覧
「日本食品標準成分表2020」より (可食部100gあたり)
柿で注目すべき栄養素はビタミンCです。柿とビタミンC、意外な栄養と思うかもしれませんが、ビタミンC含有量は果物の中ではトップクラスです。
柿は100gあたり70mgのビタミンCを含んでおり、ビタミンCが豊富なイメージのあるみかん、グレープフルーツ、キウイよりも多くのビタミンCを含んでいます。
ビタミンCの1日の摂取目安は成人男性90mg、成人女性75mgですので、柿1個~半個ほどで1日に必要なビタミンCはとれてしまいます。また、柿の葉茶にもビタミンCが含まれています。
柿に含まれているビタミンCは、副腎皮質ホルモンの合成を促し、ストレス対策にも一定の効果があります。また、ビタミンCには強い抗酸化作用があるので、活性酸素を取り除き、老化防止の役割も期待できます。
柿の栄養素で次に注目すべきはタンニンです。
タンニンとは、ポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用を持つ栄養素です。柿の渋みの元となる成分です。
柿に含まれているタンニンには強い抗酸化作用があり、老化防止や動脈硬化の予防などの効果が期待できます。
また、柿にふくまれているタンニンには殺菌・消臭効果があるため、虫歯や口臭の予防にも役立ちます。アルコール分解作用もあるため、二日酔いにも効果的です。
柿にはカリウムも豊富に含まれています。カリウムは、ミネラルの一種で細胞内の水分量を調整する栄養素です。
柿に含まれているカリウムには血圧を安定させたり、むくみを解消する効果、筋肉の収縮を正常に行う作用などが期待されます。
柿に含まれる栄養として、βカロテンも見逃せません。
βカロテンは、カロテノイドに分類される栄養素で、植物に含まれるオレンジ色や黄色の色素成分です。柿のオレンジ色はβカロテンの色素だったんですね。
βカロテンには、抗酸化作用があり、老化防止やがん予防に効果的です。また、暗い場所で視力が低下する夜盲症の予防や改善にも効果が期待されています。
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
63kcal | 83.1g | 0.4g | 0.2g | 15.9g | 1.6g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
170mg | 9mg | 6mg | 14mg | 0.2mg | 0.1mg | 0.03mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.50mg | 35μg | 0μg | 0.1mg | 0μg | 0.03mg | 0.02mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.3mg | 0.06mg | 0μg | 18μg | 0.28mg | 2.0μg | 70mg |
柿(甘がき 生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
柿には1,000以上の種類があるといわれていますが、大別すると渋柿と甘柿に分けられます。
渋柿は果実が熟したときに渋みが残る柿で、元々の柿は全て渋柿でした。甘柿は渋柿が突然変異した種で、熟す前は渋いですが、熟したときに甘みが強くなる品種です。
渋柿は渋みが強いため、渋抜きをしなければそのままでは食べられませんが、甘柿はそのまま食べられます。
ちなみに、甘柿と渋抜き柿の栄養を比較すると、両者の栄養にさほど差はありませんが、甘柿の方がビタミンCがやや多く、渋抜き柿の方がカリウムがやや多く含まれています。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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