オレンジの栄養と効能を解説していきます。ジューシーで甘く、太陽の恵みがいっぱい詰まったオレンジ。みずみずしい触感とさわやかな酸味が特徴的ですね。
そのまま食べてもよし、絞ってジュースにしてもよし、スイーツとして使ってもよしと、さまざまな形で利用されているお馴染みのフルーツです。
インド原産のみかんが地中海沿岸地方からアメリカ大陸に伝わって、独自の品種へと進化したのが今日のオレンジといわれています。
今回はそんなオレンジをテーマに、その栄養と効果、カラダへの効能をご紹介します。ジュースとの違いについても解説していますので、そちらもあわせてお読みください!
目次
オレンジの栄養と効果
オレンジに含まれている主な栄養成分のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
42kcal | 88.7g | 1.0g | 0.1g | 9.8g | 0.8g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
140mg | 21mg | 11mg | 24mg | 0.3mg | 0.2mg | 0.06mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.05mg | 10μg | 0μg | 0.3mg | 0μg | 0.10mg | 0.03mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.4mg | 0.07mg | 0μg | 32μg | 0.36mg | 0.9μg | 40mg |
バレンシアオレンジ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
まずは、オレンジに含まれている栄養をざっくりと見ていきましょう。
その食品にどんな栄養が含まれているかで、カラダへの効果や効能も分かるからです。上のレーダーチャートはオレンジに含まれている代表的な栄養成分をグラフで表したもの、下は成分表です。
グラフを見ますと、ビタミンCが多いことが分かります。他の栄養素に比べて突出しています。続いて多いのがビタミンB1、次いで炭水化物、食物繊維、カリウム、葉酸と続きます。
また、カロリーや脂質が低いのも分かりますね。以下ではオレンジに含まれるそれぞれの栄養を詳しくご紹介していきます。気になる項目がありましたら、ぜひチェックしてみてください。
オレンジに含まれる栄養として真っ先に挙げられるのが、ビタミンCです。
これはみなさんの想像通りですね。イメージの通り、オレンジにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンC含有量は、100gあたりバレンシアオレンジで40mg、ネーブルではなんと60mgも含まれています。ネーブルオレンジは、果物の中でもトップクラスのビタミンC含有量を誇ります。
ちなみに、ネーブルとは英語で「へそ」という意味で、皮の頂部にへそのようなくぼみがあるのが特徴です。タネがなく、甘みの多いオレンジです。ビタミンCをより多くとりたい時はネーブルがおすすめです。
ちなみに、オレンジに含まれているビタミンCは老化の原因となる活性酸素を取り除いてくれる栄養のため、アンチエイジング効果が期待できます。
また、ビタミンCはコラーゲンの合成に必要な栄養素として、肌や骨の健康維持に働くほか、ストレス対策にも効能を発揮します。
ビタミンCに次いで注目すべき栄養はビタミンB1です。
ビタミンCはピンときますが、ビタミンB1という栄養素はイマイチピンときませんね。詳しく解説していきます。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える酵素の働きを促す効果があります。今話題の「糖質のエネルギー化」ですね。現代人の多くは、白米、パン、パスタ、お菓子など糖質を多くとりすぎてしまう傾向にあります。
ビタミンB1はこうした糖質のエネルギー化を促してくれます。ダイエットはもちろん、体型を維持したい人にも必要な栄養素ですね。
こうしたビタミンB1がオレンジには豊富に含まれています。ちなみに、みかんやいよかん、グレープフルーツなど柑橘系の果物にビタミンB1は豊富に含まれています。こちらもあわせて覚えておきましょう。
ちなみに、ビタミンB1は、酵素の働きを助ける効能があるため、夏バテ対策にも役立ちます。また、エネルギーが脳や神経にスムーズに供給されるように働きかける効果もあります。
オレンジで次に押さえておきたい栄養は、クエン酸です。柑橘類や梅干し、お酢などに多く含まれますね。
クエン酸にはTCAサイクルの働きを活発化し、疲労を回復させる効果が期待できます。また、マグネシウムやカリウムの吸収を促進する効能、便秘の改善や胃液の分泌を活性化させる効果があります。
また、クエン酸にはアルコールの分解を早める働きもありますので、二日酔いや乗り物酔いの対策にも一定の効果が期待できます。
現代人にとっては疲労回復効果はありがたいですね。オレンジにはビタミンCも豊富ですので、ストレス対策と同時にカラダの疲れも回復しましょう。
オレンジには、水溶性ビタミンの一種である栄養、葉酸も含まれています。「豊富」とまではいきませんが、「そこそこ」の含有量を誇ります。
葉酸はほうれん草から発見された栄養で、ほうれん草などの葉物野菜、レバー、納豆などの豆類に豊富に含まれます。
果物の葉酸含有量は葉物野菜には劣りますが、オレンジは果物の中でも比較的多い方です。葉酸は、DNAやタンパク質の合成を促進する効果があります。
また、葉酸は胎児の先天的な異常を防ぐ効能があるため、妊婦の方には欠かせない栄養素です。さらに、赤血球を作って貧血を予防する効果もあります。
オレンジに含まれている栄養や効能などを見てきましたが、そもそもオレンジを食べる機会が少ない、果実よりもジュースを飲みがちという方も多いのではないでしょうか。
オレンジは皮が固く、みかんのように手でむける果物ではありませんので、手軽さでは劣りますね。
そこで今回は、オレンジジュースについて、オレンジとどの程度栄養が違うのかを比較していきたいと思います。
- | オレンジ果実 | ストレート | 濃縮還元 | 果汁30% |
ビタミンC | 40mg | 22mg | 42mg | 10mg |
ビタミンB1 | 0.10mg | 0.07mg | 0.07mg | 0.02mg |
葉酸 | 32μg | 25μg | 27μg | 8μg |
オレンジ果実とオレンジジュースの成分比較
上の表はオレンジ果実とジュースの主な成分量の比較です。左が果実、右3列がジュースの成分です。各数値は100gあたりに含まれている量です。
果実に比べて、ジュースの栄養素の含有量は減りますが、ストレート、濃縮還元ジュースでは生の果実とさほど変わらないことも分かりました。一方で、果汁30%ジュースでは、いずれの成分も少なくなっていることが分かります。
どうしても生のオレンジが食べられないときは、ジュースで代用するのも一つの手ですね。そして、ジュースを選ぶ際は、ストレートジュースか濃縮還元ジュースを選ぶと良いでしょう。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」