枝豆に含まれる栄養と効能をご紹介します。枝豆といえば、お酒のおともの定番メニュー。ビールのおつまみなどで、よく目にする食材です。
彩りや風味もいいので、お子さんのお弁当のおかずにもピッタリです。重宝されているお母さんも多いのではないでしょうか?
そんな馴染み深い食材ですが、栄養価が高く、さまざまな効能があること、ご存じでしょうか?
今回は枝豆の栄養と身体にとってうれしい効能について、まとめてみました。冷凍枝豆の栄養についても触れていますので、ぜひご覧ください。
目次
枝豆の栄養と効能
枝豆に含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
125kcal | 71.7g | 11.7g | 6.2g | 8.8g | 5.0g | 1mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
590mg | 58mg | 62mg | 170mg | 2.7mg | 1.4mg | 0.41mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.71mg | 22μg | 0μg | 0.8mg | 30μg | 0.31mg | 0.15mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
1.6mg | 0.15mg | 0μg | 320μg | 0.53mg | 11.0μg | 27mg |
枝豆(生)の100gあたりの成分表(「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
上の図は生の枝豆の栄養をレーダーチャートで表したもの、下の表は枝豆100gあたりの成分表となります。レーダーチャートは成分表をもとに主な栄養素を15種類に絞って作成したものです。
枝豆で注目する栄養はビタミンB1、葉酸です。また、食物繊維やカリウムなどのミネラルも多く、タンパク質は野菜類の中では豊富で、これもまた注目の成分です。
また、生の栄養や効能以外にも、冷凍枝豆の栄養も気になりますね。
今や人気の冷凍枝豆は様々な会社から作られています。メーカーによって冷凍後の栄養価は多少異なりますが、茹でて冷凍しているので水溶性の成分は多少減少してしまいます。
一方で、水分量が減るため100g中で換算すると、かえって増えているものもあります。
ビタミン類では、ビタミンB1と葉酸は生の状態よりも若干少なく、ビタミンCはほぼ同量、ビタミンA量は生の時よりも多くなります。ミネラル類ではカリウム、カルシウムは生よりも多く、鉄分は若干少なくなります。
ただ、家庭で茹でて冷凍したものは、栄養価がもっと低いです。市販の冷凍ものは冷凍技術が優れるうえに、新鮮なうちに急冷されているので、栄養が損なわれにくく風味も良い状態に保たれています。
大豆がタンパク質を多く含むことは、よく知られていますよね。その大豆を成熟する前に収穫したものが、枝豆です。
大豆と同じく枝豆にはタンパク質が豊富に含まれていますが、注目すべきはその中の成分メチオニンの効能です。
このメチオニンは、アルコールの分解を促して二日酔いを防いでくれるという、うれしい効能があるのです。
アルコールを摂取すると肝臓内メチオニンが大量に消費されますが、枝豆を食べることでメチオニンが供給されるため、アルコール分解を促して肝臓をサポートしてくれるのです。
お酒のおつまみにピッタリなのは味だけでなく、二日酔いを防ぐといった効能からも言えることですね。
お酒をよく飲む方は不足している可能性が高いので、メチオニンを含む牛肉、マグロ、かつおなどの食品も積極的に摂りましょう。
枝豆にはビタミンB1とB2という栄養も含まれています。
鮮やかな緑色をしているのは、大豆へ熟す前の状態のためです。この枝豆は、緑黄色野菜として分類されるほど栄養満点で、とくにビタミンB1は、消化液の分泌を促す効能を持ち、糖質をエネルギーに変えるのを助けたりしてくれます。
その結果、スタミナ不足の解消や疲労回復に一役買ってくれるのです。
とくに枝豆の旬は夏ですから、ビールの美味しい季節にピッタリ。夏バテの解消にもと、人気のある食材です。
また、ビタミンB2の効能には糖質、脂質、タンパク質の代謝をサポートする役割があります。エネルギーの代謝に関わるだけでなく、皮膚や粘膜の健康を維持する効能もある栄養ですから、美肌作りにも役立ちます。
枝豆にはカリウムという栄養も豊富に含まれています。
カリウムの効能は、身体の中の塩分(ナトリウム)を分解し、外へ排泄してくれることなので、高血圧を抑える効果が期待できます。
加えて利尿作用もあるため、身体の水分量をうまく調節し、むくみ対策にも効果的です。顔や脚のむくみに悩む女性には朗報ですね。
枝豆は食物繊維も含みますが、その効能は腸内環境の改善です。便秘の解消にも効き、便通が良くなることでむくみの解消や予防の効能がさらに高かまります。
「日本食品標準成分表2020」より (可食部100gあたり)
枝豆にはほかにも、カラダに欠かせない栄養素である葉酸、鉄分が含まれています。
葉酸の含有量は生に限らず、冷凍や茹でたものまでもが、野菜類のトップを占めるほどの豊富さです。また、鉄分も豊富なイメージのあるほうれん草や小松菜をしのぐほどの量です。
葉酸も鉄分も貧血の予防に関わり、造血の効能があります。また枝豆に豊富なタンパク質も貧血には必要な栄養です。
貧血になりやすいなど、鉄分が不足しているなと感じたら枝豆を食べることをおすすめします。手軽に栄養補給できる食材なので、貧血防止に良い効果をもたらします。
枝豆で気になるのは栄養や効能ばかりではないですね。「豆なのか野菜なのか」と疑問に思う方も多いはず。
枝豆は成長すると大豆になりますが、未熟な状態で収穫された枝豆は野菜に分類され、さらに緑黄色野菜でもあります。タンパク質も豊富なため、豆と野菜の両方の栄養をかね備えた、万能な野菜と言えます。
上記で紹介した栄養の他にも、イソフラボンも含みます。イソフラボンは、生の枝豆100g中に約30mgほど存在し、骨粗鬆症の予防や更年期障害の解消などの効能が期待されています。
また、メチオニンは二日酔い予防だけでなく脂肪燃焼効果もあるとされていて、ダイエットのサポートが期待されています。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」