なつめは、干して漢方薬に利用されるほど豊富な栄養と効能がある果物で、おもに甘露煮や薬膳料理に多く使われます。
また、果実として食べる場合は熟したものを生食にします。干しなつめやシロップ漬けなどで食べられることもあります。日本では、山形や岐阜、岡山県などで栽培されています。
しかしながら、なつめは日本ではあまり馴染みのない食材で、食べたことがないという人も多いのではないでしょうか。
今回は、そんななつめについて、その効能と栄養をお伝えしていきます。
目次
なつめの効能と栄養 一覧
なつめには、ビタミンB2の栄養が含まれています。
ビタミンB2は、3大栄養素の代謝に関わるビタミンで、中でも脂質の分解を促すための補酵素としての効能があります。脂質の分解を促すということで、なつめはダイエット食としても優れています。
ビタミンB2は、過酸化脂質を分解するので、動脈硬化や心筋梗塞の予防にも効能があります。
細胞の新生と成長に必要なビタミンなので、別名「成長のビタミン」とも呼ばれています。そのため、皮膚や髪、爪などの細胞の再生や成長の促進に効果を発揮します。
なつめには、ビタミンB群の一種でもある葉酸が含まれていることをご存じでしょうか?
葉酸は、ビタミンの一種で、ビタミンB12とともに血液を作る効能があります。そのため、貧血の予防や改善が期待できます。
また、妊娠中に胎児が発育する際の先天異常を予防する効能もあるので、妊婦さんはしっかり摂りたい栄養です。
葉酸は体内で補酵素に変化する性質を持っており、DNAやタンパク質の合成に関わり、細胞の新生を手助けする働きがあります。
なつめには、銅も含まれています。
銅はミネラルに分類される栄養で、体内の鉄分の利用を促進する働きがあります。鉄分の利用を促進することから、間接的に貧血の予防に役立ちます。
また、銅は細胞間で結合組織としての役割もあり、美容にも効能があるコラーゲンの生成にも欠かせません。
銅は、なつめのほかに、レバーやエビ、しゃこ、イカ、ヒマワリの種、落花生などに多く含まれています。
なつめには、カリウムも含まれています。
カリウムは、体内で余分なナトリウムの排出を促す栄養素で、細胞の浸透圧を正常に保つなど、むくみを解消する効能があります。
さらに、カリウムには筋肉の収縮を正常に保つ効能があるので、特に運動をする方は積極的に摂りたい栄養です。
カリウムにはナトリウムの排出を促す効果があるため、塩分などを摂りすぎた時には必要な栄養になります。
なつめに含まれるカルシウムは、健康な骨、歯、爪、皮膚などを作る際に欠かせない栄養です。なつめのような果物にもカルシウムが含まれるんですね。
カルシウムと言えば、骨を形成する栄養と連想しがちですが、骨はもちろん、歯や爪、皮膚なども健康に保つ働きがあります。また、細胞の機能調整や神経の興奮を抑える効果もあります。
健康的なカラダを維持するためには欠かせない栄養ですので、しっかり補うようにしましょう。
特にカルシウムは不足しがちな栄養素です。吸収率が低いため、こまめに摂取する必要があります。なお、ビタミンDと一緒に摂るとカルシウムを骨に沈着させやすい効果があります。