南国の果実の代表格である、パパイヤ。トロピカルフルーツ特有のまろやかな甘みと、とろけるような舌触りが人気の果物ですね。
パパイヤはフィリピン、ハワイ、台湾などが主な産地ですが、日本の沖縄や宮崎でも栽培されています。
今回はパパイヤにはどんな栄養があるのか、その効能とともに学んでいきましょう。
目次
パパイヤの栄養と効能 一覧
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
パパイヤではカロテノイドの一種である、β-クリプトキサンチンが豊富に含まれている点に注目です。
β-クリプトキサンチンは、みかんに含まれていることで有名な栄養成分です。
そのため、みかんの含有量には劣りますが、果物平均値の3.6倍以上とかなり豊富に含み、これは全食品の中でもトップクラスを誇る量となります。
β-クリプトキサンチンには、骨吸収の抑制や骨の形成を促すとともに、骨密度を高めて骨粗鬆症の予防に効果があると注目されています。
また、実際に血中β-クリプトキサンチン濃度が高い人ほど、骨粗鬆症のリスクが低く、肝機能障害やⅡ型糖尿病、脂質代謝異常症など生活習慣病の発症リスクも低いことが明らかになっています。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり、果物平均は良好倶楽部調査)
パパイヤには、ビタミンCがとても多く含まれています。その量はビタミンCの宝庫であるレモンに負けていません。
100g中のレモン果汁とパパイヤに含まれるビタミンC量は、それぞれ「50mg」と同量が含まれています。
パパイヤ1/2個は170gほどあるので、手軽にビタミンCを摂ることができます。一度にレモン果汁を100gも摂取する機会はあまりないですから、ある意味パパイヤに含まれるビタミンCの方が、上回っていると言ってもいいかもしれませんね。
ビタミンCは、強い抗酸化作用を持つ栄養で、体内の活性酸素を除去します。そのため、アンチエイジングや美肌、美白に効能がある栄養です。ストレスを多く受けがちな人や喫煙をする人は、特に体内のビタミンCが減ってしまうので、積極的に摂るようにしましょう。
また、ビタミンCはハリを保つコラーゲンの合成に必要不可欠ですが、β-クリプトキサンチンにも肌のハリや保水力を保つヒアルロン酸の合成酵素を活性化する働きがあります。そして、ヒアルロン酸の量を増やすため美肌の維持に有効です。
パパイヤは、葉酸やパントテン酸を含む食品です。
葉酸は、妊娠中に胎児の先天異常を予防し、造血作用や貧血予防にも大きな効能を持つ栄養です。葉酸は意識的に摂取しないと不足しがちになりますので、特に妊婦の方は積極的に摂るようにしましょう。
パントテン酸も果物類では、比較的豊富なのがパパイヤの特徴です。パントテン酸は3大栄養素の代謝に関わる成分で、エネルギーを生み出す働きがあります。
パパイヤは、マグネシウムの含有量が比較的多めに含まれているとも覚えておきましょう。
マグネシウムは、カルシウムとともに骨の形成に重要な働きを持つ栄養で、骨吸収を抑制するβクリプトキサンチンも含むパパイヤは、丈夫な骨の維持のサポートになる食品です。また、補酵素として300種類もの酵素をサポートすることで、代謝を促す効能もあります
さらに、水分代謝に大きく関係するカリウムも含まれています。カリウムは、過剰摂取されたナトリウムと余計な水分を排出する効能があるため、むくみの解消に効果があります。
パパイヤには酵素の一種である、パパインが含まれているのを忘れてはいけません。
パパインは酵素の王様とも呼ばれ、炭水化物、脂質、タンパク質の代謝を促す酵素の一種です。パパインには胃の負担をやわらげる働きがあるため、消化不良や胃もたれの予防効能があります。
そのほかにも、脂肪燃焼を促すことでダイエットにも効果があります。この酵素は、とくに未熟な青パパイヤに大変豊富に含まれています。
黄色いパパイヤは完熟したもの、青が未熟のもので、この2つは含まれている栄養が異なります。
黄色く熟すとパパイン酵素や鉄、カリウムなどのミネラルが減りますが、反対にビタミンAやβカロテン、葉酸などの栄養は増えます。
青パパイヤは沖縄ではサラダや炒めもの、タイ料理では有名な「ソムタム(サラダ)」などで食べられています。
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