イワシの栄養や効能に迫ってみたいと思います。「海の米」や「海の牧草」と呼ばれるほど栄養豊富なイワシ。
蒲焼や塩焼きといった通常の食べ方に加え、マリネやアンチョビとしても人気が高いですね。
そんなイワシは、近年漁獲量が激減しており、近い将来「幻の魚」もしくは「超高級魚」となる可能性があるかもしれません。
イワシの魅力は美味しさや万能さだけじゃありません。今回は皆さんに知ってもらいたいイワシの栄養と効能をご紹介します。
目次
イワシの栄養と効能 一覧
イワシには脂溶性のビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDは日光を浴びることで体内で生成される栄養で、「太陽のビタミン」とも呼ばれています。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
イワシはビタミンDが豊富な魚類で、あんこうの肝やカワハギには劣りますが、加工品を除き鮮魚の中ではトップクラスの含有量を誇ります。また、カワハギやあんこうの肝に比べ、比較的に食べる機会が多い魚というのも大きなメリットです。
ビタミンDには血糖値を下げるインスリンの分泌を促す作用があるため、糖尿病の予防に効能があります。
また、ビタミンDは、カルシウムやリンの吸収を促進して、骨を強化する効能があります。
イワシの栄養にはカルシウムが含まれています。
カルシウムは歯や骨を形成する成分で、骨を丈夫にするので骨粗鬆症予防の効能があります。
カルシウムが不足しがちなお子様や女性には、積極的に摂っていただきたい栄養です。
イワシのカルシウムは、生だと100g中85mgほどですが、ウルメイワシの丸干しになると100g中570mgとダントツに多くなります。
また、カルシウムは食品によって吸収率が異なり、牛乳の40%に次いでイワシのカルシウム吸収率は33%と高くなっています。
イワシにはマグネシウムも含まれています。
マグネシウムは、魚介類や大豆製品に多く含まれる栄養で、300種類を超える酵素の働きをサポートしています。
効能としては、補酵素となり酵素の働きを助け、神経の興奮を抑制したり、骨の形成に関わり、体温や血圧を調整したりする作用があります。
そして、イワシに含まれているリンは魚介類の中でも比較的多く、特にうるめいわしの丸干しは、魚介類の中でトップクラスを誇ります。
リンは必須のミネラル一つで、エネルギー代謝や脂質の代謝において重要な役割を担っています。また、カルシウムとマグネシウムと結合して、歯や骨を形成する働きがあります。
リンは多くの食品に含まれている栄養のため、特に不足を心配する必要はありません。
青魚の脂に多く含まれているEPAは、イワシにも豊富に含まれています。
このEPAは体内で生成することができない成分なので、食品から摂取する必要があります。
EPAは血液の流れをスムーズにして血小板が固まるのを阻止するため、血栓予防の効能があります。
EPAをムダなく摂取するには、加熱処理をせず刺身で生のまま食べるのがベストです。
DHAも同じく不飽和脂肪酸で青魚の脂に含まれている成分です。
DHAには脳を活性化する働きがあり、記憶力や計算力を高め、アルツハイマー認知症の予防に効能があります。
酸化しやすい成分であるため、酸化を防ぐ作用のあるβ-カロテンや、ビタミンCなどの栄養素を含む食品と一緒に食べることをおすすめします。
イワシには、必須アミノ酸のひとつであるチロシンも含まれています。
チロシンはドーパミンやノルアドレナリンの材料となる成分で、やる気を引き出したり集中力を高めたりする効能があります。
また、うつ病の改善にも効果が期待できます。
イワシは多くのレシピがある魚です。お刺身やお寿司、開きや焼き魚、その他にもなめろうやつみれ、醤油漬けなど、幅広く利用でき、さまざまな味で楽しめます。
中でもイワシと梅干しを使った「イワシの梅」は、荷崩れを防いだり梅干しの酸味でさっぱりといただけるだけではありません。
イワシの骨を軟かくすることができるので丸ごと食べられるうえに、梅干しのクエン酸でカルシウムの吸収率がアップします。
この他、効果や効能別にイワシと組み合わせた方がいい食材は、高血圧の予防「しいたけ、ゴマ、昆布」、動脈硬化の予防に「ねぎ、オリーブオイル」、老化防止に「トマト」などが挙げられます。
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