ここでは片栗粉の栄養と効果についてまとめています。
片栗粉はトロミづけや竜田揚げなどに使われて、和食や中華料理には欠かせない食材です。
その他、インスタントラーメンの麺、レトルト食品、かまぼこやちくわ、春雨など意外なところで使われています。
今回は、片栗粉に含まれる代表的な栄養と効果、また、比較されやすい小麦粉との栄養の違いもご紹介しています。
目次
片栗粉の栄養と効果 一覧
片栗粉とは、じゃがいもから取れる澱粉(でんぷん)のことで「馬鈴薯澱粉(ばれいしょ)」とも呼ばれています。
本来はユリ科の植物である「かたくり」の鱗茎から作られていましたが、採取が難しく、今ではじゃがいものでんぷんが片栗粉として市販されています。
片栗粉は水で溶いて加熱すると、粘性の強いトロミができる性質があります。これを利用した料理があんかけです。
片栗粉を水で溶かずに粉のまま直接熱い汁物に加えるとダマになりますが、「片栗粉1:水2」の割合で溶いてから汁物に加えて加熱すると上手にあんが作れます。
片栗粉は水に溶けにくく直ぐに下に沈んでしまいます。使う直前でしっかりと混ぜてから使うと、失敗せずに上手にトロミづけができます。
片栗粉に含まれている主な栄養成分 (「日本食品標準成分表2015」より作成)
効果を知る前に片栗粉の栄養成分をレーダーチャートで確認してみましょう。上図は主要栄養素15種類をピックアップして作成したものです。
グラフを見てのとおり、片栗粉の栄養で最も多く含むのが炭水化物で、少ないですが鉄分も含んでいるのが分かります。
片栗粉は炭水化物が多いので、そこそこのカロリーがあるのも見てとれます。ラーメンや中華料理など、もともと高カロリーに高脂肪になりやすい料理で使われることが多いので、摂りすぎには気を付けたい食材ですね。
以下では、片栗粉の栄養と効果について説明しています。
片栗粉の主要成分は炭水化物です。その量は100g中80%以上ととても占める割合が多く、さらに食物繊維を含まないのですべてが糖質となります。
炭水化物は体内でブドウ糖へと変わり、生命活動に必要なエネルギー源となる栄養です。消化吸収が良く、脂質やタンパク質よりも素早くエネルギー源へと変わる効果があり、1gで4kcalのエネルギーとなります。
炭水化物の摂取不足はエネルギーが足りず体力が減少します。長時間の運動には不向きでも、短時間の運動には効果的な栄養です。
食事でしか補えない栄養ですが、米やパン、パスタといった穀類に多く含まれているので、通常の食生活であれば不足する心配はありません。
その反面、炭水化物の摂りすぎは肥満を招きます。エネルギーとして使われないと体内で脂肪となり、体内に蓄積されてしまうからです。
炭水化物をエネルギーに変えるにはビタミンB群が必要で、中でもビタミンB1が重要な働きして効果を表します。ビタミンB1は白米よりも玄米に多く、豚肉やレバーなどにも多く含まれています。
次も炭水化物の効果です。炭水化物は体内で分解された後ブドウ糖に変わりますが、そのブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源です。
同じくエネルギー源となるタンパク質や脂質は脳のエネルギーにはなれません。
不足するとけだるく頭がボーとして働かないなど、仕事や勉強のパフォーマンス低下につながります。炭水化物が極端に足りないと疲労感のみならず、脳や神経にもエネルギーが行き渡らなくなり、時には意識を失うこともあります。
ダイエット中でも朝食はしっかりと摂りましょう。ご飯やパンといった炭水化物を含む穀類は食べるようにし、片栗粉でとろみを付けた汁物も加えるのもいいでしょう。その分、夜は野菜や海草などを多めに取るのがおすすめです。
片栗粉の栄養には炭水化物以外にも、ミネラル類が含まれています。
ナトリウムやカリウム、カルシウムやマグネシウム、鉄分、銅などの必須ミネラルが含まれています。体内で生成ができず、食事でしか得られない栄養です。
上記のミネラルの効果には、心臓や体の筋肉、神経の機能を正常に調整したり、体内の水分バランスを整えたり、丈夫な骨の形成や造血など体に重要な働があります。
ただし、これら栄養は食事で摂る片栗粉の量では、一日に必要な量を満たせず効果も低いので、多種類の食品を摂るようにしましょう。
片栗粉と小麦粉に含まれている主な栄養成分の比較 (「日本食品標準成分表2015」より作成)
見た目の白さが共通する片栗粉と小麦粉(薄力)は、使い方も似ていてなにかと比較されやすい食材ですが、含まれる栄養成分や用途に違いがあります。
片栗粉と小麦粉の栄養の違いは、栄養価が高いのは小麦粉の方で、片栗粉には含まれないタンパク質、食物繊維、ビタミンB郡などを含み、ミネラルの含有量も片栗粉を上回ります。100g中のエネルギーにも違いがあり、小麦粉の方が約40kcalほど高くなります。
片栗粉の原料はじゃがいも、小麦粉はイネ科の小麦の胚乳部分を粉にしたものです。
片栗粉はおもに汁物や野菜炒め、ラーメンといったあんかけ、竜田揚げに使用されます。とくに揚げ物の衣はカリッと仕上がりますが、時間が経つと水分を吸収してグニャグニャと柔らかくなります。
小麦粉(薄力)は、あんかけには向かずシチューやカレーのトロミづけ、天ぷらや唐揚げ、お菓子に利用します。揚げたての衣は柔らかいですが水分を吸収しにくいので、時間がたっても比較的美味しくいただけます。
このように、あんかけには片栗粉、カレーやシチューのトロミづけには小麦粉が適していますが、揚げ物はどちらにもメリットデメリットがあるので、混ぜて衣に使うのもおすすめです。
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