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魅力的なさわやかな香り-ゆずの効能とその栄養

ゆずの効能と栄養

ゆずの効能と栄養についてご紹介。さわやかな香りで人気の柑橘類、ゆず。

果皮をすりおろして薬味に使われたり、ゆず味噌やゆずこしょうなどの調味料から、ゆべしやジャムなど、さまざまな料理に使われる人気の果物です。

また、香りを楽しむ「ゆず湯」としても親しまれていますよね。香りもいいですが、カラダを温める効能あります

今回は、そんなゆずついて効能とその栄養を詳しく解説していきます。さらに、レモンとの栄養の違いもご紹介しています。

ゆずの栄養は? - 効能を知る前にグラフで確認しよう!

ゆずに含まれている主な栄養のレーダーチャート

ゆずに含まれている主な栄養素のレーダーチャート

エネルギー 水分 タンパク質 脂質 炭水化物 食物繊維 ナトリウム
21kcal 92.0g 0.5g 0.1g 7.0g 0.4g 1mg
カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛
210mg 20mg 11mg 11mg 0.1mg 0.1mg 0.02mg
マンガン ビタミンA ビタミンD ビタミンE ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2
0.10mg 1μg 0μg 0.2mg 0μg 0.05mg 0.02mg
ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビオチン ビタミンC
0.2mg 0.02mg 0μg 11μg 0.29mg - 40mg

ゆず(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より)

効能や効果を知る前に、ゆずの栄養と成分を確認してみましょう。上の図は15種類の栄養素を抜粋して作成したレーダーチャート、下は成分をまとめた表です。

ゆずは比較的ビタミンCが多い果物です。他は、ビタミンB1やカリウムなどは、そこそこの量がありますね。

ゆずの果汁と果皮の栄養は100g単位で比較すると、栄養価が高いのは果皮で、さらに柑橘類特有の香り成分も果皮に多いのです。そのため、果汁と果皮は同時に摂取すると無駄なくゆずの栄養を取れます。

以下では、ゆずの効能と栄養をまとめています、さっそく見てみましょう。

ビタミンCが豊富!- 美肌作りやアンチエイジングの栄養

女性の顔のアップ画像

ゆずはビタミンCがとても豊富で、特に果皮に多いのが特徴です。その量は果汁の4倍にもなります。

ビタミンCの効能には強い抗酸化作用があるので、アンチエイジングに大きな期待がもてるでしょう。紫外線によって発生するメラニン色素の生成を抑える効能が、シミやシワを予防して美肌作り効果的です。

免疫力の強化やストレス対策にも働く効能も持つため、普段からこまめに摂っておきたい栄養です。

ビタミンCはとくに喫煙やストレスによって消費されるので、愛煙家の方やストレスを感じる方は、こまめに摂取するように意識してくださいね。

ゆずに比べると含有量は少くなくなりますが、同じ柑橘類ではレモンやオレンジにも含まれています。

クエン酸にも注目を!- 効能は高い疲労回復、二日酔いにも

木陰で水を飲む女性

ゆずにはクエン酸も含まれていることを忘れてはいけません。クエン酸量はレモンの3倍ほどにもなると言われています。

クエン酸の効能は、主に疲労回復効果が高いのが大きな特徴です。クエン酸が体内でエネルギーの産生に必要な「TCAサイクル(クエン酸回路)」の働きを活性化させる作用があるからです。

柑橘類などに多いクエン酸ですが、強烈な酸味があるので大量に摂取するのはなかなか難しいもので、苦手な方も入るかと思います。

しかし、便秘解消・アンチエイジング・二日酔いや乗り物酔いの防止など、あらゆる効能があるので、しっかり摂るようにしてください。

多糖類の一種ペクチンの効能 - 食物繊維が整腸作用をもたらす

ゆず茶の画像

ゆずには多糖類の一種である、ペクチンが入っていることも知っておいてください。

果物に多いペクチンには、整腸作用や善玉菌を増やして硬い便を軟らかくする働きがあります。動脈硬化や心筋梗塞の原因となる、LDLコレステロールの増加を抑える効能もあります。

便秘や下痢に悩んでいる方は毎日快調に過ごすために、ペクチンを含む食品も取り入れましょう。リンゴやオレンジ、レモンでも摂れます。

ペクチンについては、以下の記事に詳しくまとめています。

ゆずの食物繊維は不溶性と水溶性が同じくらいの量ですが、中でも果皮に多く存在し、果汁との差は17倍にも及びます。

  ゆず(果皮) ゆず(果汁)
水溶性食物繊維(g) 3.3 0.3
不溶性食物繊維(g) 3.6 0.1
食物繊維総量(g) 6.9 0.4

このように、果皮にはしっかりと食物繊維が含まれています。果皮は捨てずにすりおろしたり、マーマレードなどにして積極的摂るようにしましょう。

香りと苦み成分の効能 - アロマの要素や発がんの抑制に

削ったゆずの皮

柑橘類の大変良い香りは、リモネンやシトラールによるものですが、ゆずで注目するのは、ユズノンと呼ばれる香り成分です。

ゆず独特の香りはこのユズノンによるものです。香りの効能には心身をリラックスさせる効果があり、アロマ的な要素を発揮します。

その反面、香りにはあたまをスッキリとさせる働きもあるのです。

ゆずはリモノイドと呼ばれる苦み成分も含んでいます。リモノイドの効能にはがん物質の抑制に効果がみられるそうで、発がんの予防効果が期待され、コレステロールや中性脂肪の抑制効果などの効能も注目されています。

ゆずには体を温める効果があるため、ゆず湯に利用されていますね。香り成分(精油)はお湯に溶けだすので、香りが弱くなってきたら良く揉んで香りをたたせましょう。

ゆずの栄養は果汁よりも果皮やワタに - ビタミン・ミネラル

ゆずの栄養は、果汁よりも果皮に多いのが特徴です。

ゆずの果皮と果汁との栄養成分含有量の比較

「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)

カリウムは果汁に多いですが、それ以外の栄養は果皮が上回っています。

カルシウムは2倍、ビタミンCは4倍、ビタミンEと食物繊維は17倍、β-クリプトキサンチンに至っては約30倍もの差があります。

もちろん香り成分も果皮に含まれているので、果汁のみを使う場合も果皮を刻んだり搾ったりして、香りを移す工夫をするのがおすすめです。

また、皮と実の間の白い綿にはヘスペリジンが含まれています。ポリフェノールのひとつで、毛細血管を強化する効能によって、血流の改善にも作用します。

このように、ゆずの栄養は果皮に多く含まれています。果皮の利用が多いゆずは、効能や効果を得られやすいでしょう。

ゆずとレモンの栄養の違いは? - 含有量が勝るのは「ゆず」

複数の柑橘類の画像

最後は、ゆずとレモンとの栄養の違いについて見ていきます。レモンはゆずほどの香りはありませんが、使い勝手が良く馴染み深い柑橘類です。

下の表でゆずとレモンの栄養を比較してみましょう。意外かもしれませんが、ゆずのほとんどがレモンを上回ります

表で見ると、レモンも果皮に栄養があるのが分かるかと思います。

  ゆず(果皮) ゆず(果汁) レモン(全果) レモン(果汁)
ビタミンC(mg) 160 40 100 50
ビタミンE(mg) 3.4 0.2 1.6 0.1
β-クリプトキサンチン(μg) 400 15 37 13
ビタミンB1(mg) 0.07 0.05 0.07 0.04
カリウム(mg) 140 210 130 100
食物繊維(g) 6.9 0.4 4.9 -

中でも、抗酸化作用のあるβ-クリプトサンチンは果皮に多く、レモンと比べると桁違いの量を含みます。

柚子よりは栄養が劣りますが、レモンは通年出回る果物ですから、食べる機会は多く継続的に食べられます。

旬の時期はゆずを活用して、レモンは普段からこまめに摂るのが良いでしょう。どちらも香りが良くビタミンCも摂れるので、ストレスの軽減やリラックス効果を実感できるでしょう。

引用および参考:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)

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