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注目の穀物! 大麦に含まれる栄養と効果は?

大麦の栄養と効果

大麦に含まれる栄養と効果についてお伝えしていきます。大麦は、麦ごはんや雑穀米として食べるだけでなく、麦茶ビールの原料にも使われる穀物です。

栄養豊富な大麦は世界最古の穀物といわれ、日本でも古来から白米と一緒に炊いて食べられてきました。

戦後、食料が豊富になるにつれ白米が主流となったため、ほとんど食卓に登場しなくなった大麦ですが、健康ブームの影響により再び注目が集まっています。

今回は、大麦についてその豊富な栄養と効果をご紹介します。

大麦ってどんなもの? - もち麦とは違うの?

大麦の画像

健康のために雑穀米を積極的に摂っている方も増えていますが、「麦」という名がついた雑穀が多いため、あらためて「大麦ってどんなも?」と思った方もいるかもしれません。

大麦はイネ科オオムギ属に分類される、小麦や米、トウモロコシに次いで生産量の多い穀物です。

穂の形状で「六条大麦」と「二条大麦」に分けられていて、用途が異なります。「六条大麦」は麦飯、押し麦や米粒麦、白麦といった雑穀米にしやすいように加工したものや、麦みそ、麦焼酎などに用いられます。「二条大麦」は主にビールの原料に利用されています。

また、最近注目されている「もち麦」との違いも気になるところですね。これは性質の違いで、白米同様「うるち」と「もち」性に分類されていて、もち性の大麦がもち麦にあたります。

「うるち麦」は粘りが少なくプチプチとした食感が強く、「もち麦」は粘りが多くモチモチとした食感が強くなります。

大麦製品の栄養はそれぞれ加工の仕方で多少の違いはありますが、最も注目されているのは食物繊維です。外皮を一部残した加工をしているので、もち麦には水溶性の食物繊維であるβ-グルカンが多く含まれています。

栄養を確認してみよう - 大麦には何が含まれる?

大麦に含まれている主な栄養のレーダーチャート

大麦に含まれている主な栄養素のレーダーチャート

それでは、大麦に含まれている栄養を確認していきましょう。上のグラフは、主要な栄養素15種類をピックアップして作成しています。

大麦には炭水化物と食物繊維が多く含まれているのが見てとれますね。やはり白米と同じく穀物なので炭水化物の占める割合が多くなります。

また、鉄分や亜鉛、カルシウムなどのミネラルやビタミンB1も含みます。これらは白米にも含まれている栄養ですが、大麦の方が含有量が高くなります。

以下では大麦の栄養とその効能について説明しています。

水溶食物繊維β-グルカンが豊富 – 生活習慣病の予防に

ポッコリお腹の画像

大麦に含まれる食物繊維は白米の約17倍にもなります。水溶性と不溶性の2種類を含んでいますが、中でもとくに多いのが水溶性食物繊維のβ-グルカンです。

大麦に含まれるβ-グルカンの作用には、糖質の吸収を緩やかにして、食後に起こる血糖値の急な上昇を穏かにします。また、コレステロール値を正常にする効果もあります。

β-グルカンが血糖値やコレステロール値の上昇を抑えることで、動脈硬化や糖尿病、肥満などの生活習慣病の予防が期待できます

なかでももち麦は、白米の25倍、玄米の4倍もの食物繊維を含んでいるそうです。白米に加えたり麦ご飯にするなどして、大麦を積極的に食事に取り入れていきましょう!

カルシウムはお米の3倍 – 丈夫な歯や骨づくりに効果的

筋トレ中の画像

大麦は、穀物の中でも特にカルシウムが豊富です。

カルシウムは骨や歯を作り丈夫にする効果があるだけでなく、精神を落ち着かせるなどの働きもある栄養です。

普段からイライラしやすい方は、カルシウム不足が疑われるので積極的に摂取してみましょう。

カルシウムとマグネシウムは2:1の割合で摂取するのが理想的です。また、ビタミンDを一緒に摂ることで、カルシウムの吸収率がアップします。

この他にも、鉄分や亜鉛などを含みますが、玄米には劣ります。これら栄養の効能には味覚を正常に保つ作用や、血液の主成分となる働きがあります。

大麦のカリウムは白米の2倍 – 血圧上昇を抑制、むくみの予防に

血圧を測定する画像

大麦の栄養には白米の2倍ものカリウムが含まれています。

カリウムは高血圧が気になる方には継続的に摂ってほしい栄養です。それは血圧の上昇を抑制する効果があるからです。

余分な塩分の排出を促す働きもするので、むくみの予防にも効果的です。また、大麦のβ-グルカンが便秘を改善してくれるので、よりむくみに対する効果が高まります。

塩分過多になりがちな現代では主食に大麦を利用し、アボカドほうれん草といったカリウム豊富な食品が、カラダの負担を和らげてくれるでしょう。

炭水化物は重要なエネルギー源 - 集中力をアップ、疲労回復にも大切な栄養

仕事中の女性

大麦の主な栄養は炭水化物で、全体の約77%を占める割合です。

炭水化物に含まれている糖質(ブドウ糖)は、脳の唯一のエネルギー源です。効果は脳の働きを活性化させて集中力をアップします。

また、生命活動に必要なエネルギー源ですから、疲労回復にも必須です。不足するとエネルギー不足や能力の低下などにつながります

炭水化物は消化吸収が良く、タンパク質や脂質に比べてエネルギーに利用いやすい栄養なので、極端な糖質制限は控えた方がよさそうですね。

麦ご飯で健康生活 - 白米に少ない栄養が補える

雑穀米の画像

大麦は古くから、豊富な栄養と多くの効果や効能が認められています。

東洋医学でも消化促進や血糖値を下げる働き、整腸作用などの効果や効能があるとされ、主食として食べるだけでなく漢方薬としても利用されています。

大麦は白米よりも食物繊維やミネラルが多く含まれているので、雑穀米にすることで、白米には少ない栄養が補えます

大麦は押し麦や胚芽押し麦など食べやすいように加工されています。白米ほどの粘りがないので、雑穀米以外にも茹でてスープやサラダに加えることもできます。

手軽に入手できる食材ですから、毎日の食事に大麦を加えてみてはいかがでしょうか?

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