もやしに含まれている栄養と期待できる効果についてご紹介します。シャキシャキとした食感が魅力的なもやし、もやし炒めにラーメン、ナムルなど様々な料理に登場します。
加熱することでもやしの栄養がどうなるのか、調理による栄養のを最小限に防ぐ方法などもご紹介しています。
それでは、もやしに含まれる栄養と期待できる効果をご覧ください。
目次
もやしの栄養と効果
もやしに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
15kcal | 95.4g | 1.7g | 0.1g | 2.6g | 1.3g | 2mg |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
69mg | 10mg | 8mg | 25mg | 0.2mg | 0.3mg | 0.08mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.06mg | Tr | 0μg | 0.1mg | 3μg | 0.04mg | 0.05mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
0.3mg | 0.05mg | 0μg | 41μg | 0.23mg | 1.7μg | 8mg |
緑豆もやし(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
上のグラフはもやしに含まれている主な栄養素をチャートで示したもの、表はもやし100gあたりに含まれている栄養素の数値です。
もやしは水分が多く各成分の含有量は少ないですが、葉酸の割合が多い野菜で、ビタミンCやB1、食物繊維やミネラル類なども含みます。
もやしは、緑豆、大豆、ブラックマッペなどの豆類(種子)を発芽させたもので、一般的なものは緑豆を発芽させたものです。そのため、タンパク質も含みます
もやしには種子本来が含む栄養素に加え、発芽することで別の栄養素が生成、増加するという特徴があります。以下では、そんなもやしの成分や効果や働きについて細かく解説していきます。
「日本食品標準成分表2015」より (可食部100gあたり)
もやしにはモリブデンという栄養が豊富に含まれています。
上のグラフは、もやしと野菜平均とのモリブデン含有量を比較したものです。もやしには平均的な野菜の3倍以上のモリブデンが含まれているが分かります。
ちなみに、ここでいう「もやし」とは、緑豆もやし(日本で最も多く出回っている)のことです。大豆やブラックマッペにはモリブデンは含まれていないのご注意ください。
緑豆もやしに多いモリブデンとは、ミネラルの一種で、キサンチンオキシダーゼの補酵素になる働きがあり、尿酸の生成を促す効果が期待できます。
モリブデンには鉄分の利用を促す作用があることから、貧血を予防する効果も期待ができます。さらに葉酸にも貧血を防ぐ作用があるため、もやしは貧血予防のサポートに役立つ野菜です。
もやしにはアスパラギン酸という成分が含まれています。
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、大豆などの豆類、もやし、サトウキビ、アスパラガスなどに多く含まれています。アスパラギン酸はもともと、アスパラガスから発見されたことからこの名がついています。
アスパラギン酸の効果はタンパク質の合成に関わり、カリウムやカルシウムなどのミネラルと結合して細胞に運ぶ役割があります。
また、疲労回復、アンモニアを尿に合成する作用、肌の潤いを保つ効果なども期待できます。
もやしにはアミラーゼと呼ばれる消化酵素も含んでいます。別名、ジアスターゼとも呼ばれます。
こちらもビタミンC同様、豆が発芽する過程で増える成分です。もやしにはこうした、豆の段階の栄養と成長する過程で増える栄養があるんですね。
アミラーゼは消化を行う酵素の一種で、食べ物の消化を助けて、腸の働きを整える効果、胃もたれや胸焼けを防ぐ効能が期待できます。
また、もやしには豊富ではありませんが食物繊維も含み、中でも不溶性食物繊維が多いことが特徴的です。
不溶性食物繊維は胃や腸で水分を吸収し、膨らむ性質があります。これにより、腸内環境を改善する効果、排便を促す効果に期待が持てます。
また、食感を良くするためにもやしのひげを処理すると、食物繊維量が減って効果も落ちるので、できれば取らないでおきましょう。
もやしの中で押さえておきたい栄養はビタミンCです。
もやしは豆を水に浸して日光に当てずに発芽させたものです。元々、豆のビタミンCは微量ですが、豆を発芽させる過程でビタミンCが増加します。
発芽させる段階でビタミンCが増えるというのも面白いですね。
ビタミンCは、老化防止やストレス対策に効果的です。また、美肌効果や肌荒れ防止、免疫力の向上や風邪予防などの効能が期待できます。
もやしのひげを取ると、調理の際にビタミンCが流れ出やすくなります。少しでもビタミンCの流出を抑え効果を友好的にすには、ひげは残すようにしましょう。
もやしは豆が発芽したものですが、豆の部分には良質なタンパク質を含みます。野菜でタンパク質が摂れるのは貴重ですね。
タンパク質は筋肉や皮膚、爪、髪などを作る主成分となり、筋肉や皮膚、髪などを正常に保つ働きがあります。
その他の効果には、免疫力の根源となり、抗体の原料になる働きもあります。タンパク質は生物が生きるのに欠かせない酵素の原料ともなるますので、私たち人間が生きる上で欠かせないと言えます。
もやし類のタンパク質量を比較すると、最も含有量が高いのが大豆もやし(100g中:3.7g)、少ないのが緑豆もやし(100g:1.7g)になります。
もやしに含まれるビタミンCとカリウムは水溶性のため、茹でると約70~80%も溶け出てしまいます。その分、効果や作用が落ちるのでもったいないですね。
和え物やお浸しにする場合は短時間で茹で、栄養の流出を抑えましょう。茹で時間は再沸騰してから10~15秒ほどです。この時、油を大さじ2杯加えるとシャキシャキの食感が残せます。
また、加熱は茹でるよりも炒め調理が有効です。もやしの表面が油でコーティングされて水分や栄養素が溶け出るのを防ぎます。強火で1分ほどが目安です。
また、片栗粉でとろみをつけたりあんかけ風にすることで、栄養が溶けだすのを防ぎ加熱時間の短縮を図ります。
もやしは加熱調理を見込んで生産されています。栄養の損失にはなりますが、生食は控え加熱調理をしてから食べるようにしましょう。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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