パプリカの栄養と効能をお伝えします。肉厚で甘みがあり、赤や黄色にオレンジと色鮮やかなパプリカは、見た目から食欲を増進させてくれる野菜です。
青臭さがなく生でも加熱してもおいしく食べられので、サラダやグリル、ピクルスなどさまざまな調理法で楽しめます。
パプリカはピーマンと同じ仲間ですが、栄養価が高いのはパプリカです。同じ仲間には「トマピー(ミニパプリカ)」と呼ばれる、トマトに似た形の品種が、近年注目されつつあります。
そんなパプリカの栄養や成分、そして効能についてご紹介します。また、色別の栄養の違い、おすすめの調理法や食べ方もご紹介しています。
目次
パプリカの栄養と効能 一覧
パプリカに含まれている主な栄養素のレーダーチャート
エネルギー | 水分 | タンパク質 | 脂質 | 炭水化物 | 食物繊維 | ナトリウム |
---|---|---|---|---|---|---|
28kcal | 92.0g | 0.8g | 0.2g | 6.6g | 1.3g | Tr |
カリウム | カルシウム | マグネシウム | リン | 鉄 | 亜鉛 | 銅 |
200mg | 8mg | 10mg | 21mg | 0.3mg | 0.2mg | 0.04mg |
マンガン | ビタミンA | ビタミンD | ビタミンE | ビタミンK | ビタミンB1 | ビタミンB2 |
0.15mg | 17μg | 0μg | 2.4mg | 3μg | 0.04mg | 0.03mg |
ナイアシン | ビタミンB6 | ビタミンB12 | 葉酸 | パントテン酸 | ビオチン | ビタミンC |
1.0mg | 0.26mg | 0μg | 54μg | 0.25mg | - | 150mg |
パプリカ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より)
上の図はパプリカの栄養成分のレーダーチャートで、主な栄養素15種類をピックアップして作成、下は成分表です。
パプリカの栄養にはビタミンCとEが多く含まれています。水分が90%以上と多いですが、その他、ポリフェノールなどの機能性成分も含みます。
パプリカのカロリーは低めですが、糖質は野菜類の中ではやや多めです。
調理法はサラダや炒めものやグリルと幅広く、他の食材とも合わせやすいので多くのレシピがある万能な野菜です。
色鮮やかなパプリカは、赤や黄色、オレンジや緑とたくさんの種類がありますが、色によって栄養価が異なります。
どのパプリカが最も優れているのかが気になるところですが、種類によって長けている栄養が違ってきます。
赤パプリカの栄養の特長は、脂肪燃焼効果のあるカプサイシンです。カプサイシンは唐辛子にも含まれる赤い色素で、β-カロテンよりも1.5倍も抗酸化力が強いと言われています。β-カロテンの量も豊富で、通常の緑ピーマンの約2.7倍といわれます。
黄パプリカの特長はビタミンCの豊富さで、美肌効果が優れています。赤色には少々劣りますが、100g中150μgと、緑ピーマンの1.9倍ほども含んでいます。また、肌の老化予防が期待されるルテインの含有量が高いのも特徴です。
オレンジパプリカの特長は、赤と黄色の栄養をバランスよく含むところです。目を紫外線などから守るゼアキサンチンのほか、緑ピーマンの3倍ものβ-カロテンとビタミンC、そしてビタミンEも多く含みます。
このように色によって、効能や効果も違ってきますので、ナンバー1は決め難いところですね。迷った時は赤と黄色のいいとこどりをしている、オレンジがおすすめです。
パプリカの栄養にはビタミンCが豊富。特に赤色はピーマンのおよそ2倍以上もの量を含みます。その量は野菜類の中でトップクラスを誇ります。
「日本食品標準成分表2020」より (可食部100gあたり)
上のグラフはパプリカと主な野菜類のビタミンC含有量の比較です。いかにパプリカのビタミンCが豊富なのかが分かりますね。また、野菜類の中で含有量がトップのトマピーは、別名ミニパプリカとも呼ばれる品種です。
ビタミンCの効能には美肌効果があるので、シミやシワを予防します。
ビタミンCはチロシナーゼの働きを阻害してメラニン色素の生成を抑制する効能や、コラーゲンの合成にも関わる栄養です。シミやソバカスを予防する効能や、ハリのある肌をつくるのにも有効です。
また、白血球を強化する効能があるので、免疫力をアップして風邪予防にも効果があります。
体内に侵入したウイルスを攻撃して排除することができます。ストレスによってもビタミンCは消費されるので、免疫力が低下して風邪やインフルエンザなどに感染しやすくなります。
1日に必要なビタミンC量はオレンジ1/6個、赤色1/3個で摂れると言われています。
パプリカの栄養には、ビタミンPと呼ばれる栄養も含みます。ビタミンPはヘスペリジンやルチンなどの総称で、ポリフェノールの一種です。
効能はビタミンCとともに働いて毛細血管を丈夫にするとともに、血流を改善して、高血圧や脳出血などの予防に有効です。
血流を促す効能は冷え性の改善にも効果があるほか、肌のターンオーバーを促進する効能も期待できるので、肌の状態も良くしてくれることでしょう。
ヘスぺリジンはビタミンCが熱によって壊れるのを防ぎ、吸収を促進させる効能も持っています。
「日本食品標準成分表2020」より (可食部100gあたり、野菜平均は良好倶楽部調査)
あまり多いイメージはありませんが、パプリカが含むビタミンE量は野菜平均値の3倍以上と豊富です。
パプリカのビタミンEはピーマンの5倍にもなり、赤だけでなくオレンジ色にも含まれています。
末梢神経を広げ血行を良くする効能や、血中のコレステロールの酸化を防ぐ栄養で、肩こりや冷え性の改善、心筋梗塞のリスクを軽減する効能があります。
若返りのビタミンとも呼ばれ、ビタミンEにも抗酸化作用があります。パプリカは生食でも甘みを感じるので、サラダにして積極的に摂りましょう。
「日本食品標準成分表2020」より (可食部100gあたり、野菜平均は良好倶楽部調査)
パプリカの栄養はβ-カロテンも豊富、通常のピーマンの2.7倍もの含有量です。
赤パプリカのβ-カロテン量は野菜平均値には劣りますが、緑ピーマンよりも多く、黄色いパプリカよりも5.5倍も上回る量を含みます。また、赤色よりも多いのがオレンジと言われています。
β-カロテンの効能には抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変換される栄養です。生活習慣病の予防はもちろん、皮膚や粘膜を丈夫に保つ効能、口内炎や肌荒れなどを予防して美肌に効果があります。
パプリカにはビタミンCやE、ビタミンB群、β-カロテンなど美肌を作る栄養が揃っているので、相乗効果を発揮してくれるでしょう。
パプリカの栄養の吸収率を高めるおすすめの調理法は、油を使った料理です。
β-カロテンは、オリーブオイルなどの油を使って調理すると、吸収率がアップし効果や効能も発揮します。
熱に弱いビタミンCですが、パプリカに含まれるビタミンPの働きによって、加熱調理をしてもビタミンCが壊れないように守ってくれます。
また、パプリカの綿や種は捨てずに一緒に調理しましょう。綿は苦みがありますがピラジンを含み、種にはカリウムがあります。
ピラジンは血液をサラサラにする効能があるので、血栓や脳梗塞などの予防に有効です。カリウムは利尿作用でむくみを予防する効能があります。
引用および参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
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